^ 「音楽の不思議な賜物」
「神をほめたたえる心は力」
 

詩篇 150篇


1節
ハレルヤ。
神の聖所で、
神をほめたたえよ。
御力の大空で、
神をほめたたえよ。

2節
その大能のみわざのゆえに、
神をほめたたえよ。
そのすぐれた偉大さのゆえに、
神をほめたたえよ。

3節
角笛を吹き鳴らして、
神をほめたたえよ。
十弦の琴と立琴をかなでて、
神をほめたたえよ。

4節
タンバリンと踊りをもって、
神をほめたたえよ。
緒琴と笛とで、
神をほめたたえよ。

5節
音の高いシンバルで、
神をほめたたえよ。
鳴り響くシンバルで、
神をほめたたえよ。

6節
息のあるものはみな、
主をほめたたえよ。
ハレルヤ。





さて、私達は様々な音に囲まれて生きています。
快く感じる音もあれば、騒音に感じる音もあります。
これらは、私達の心に様々な影響を与えています。
特に、リズム・旋律・音域の高低などがある音楽は、 人を生かしもするし殺しもします。
ギリシャの哲学者達は、癒しの力を持つ音楽の力を語り、 また中世には呪いの歌(音楽)の様なものがあったとも聞いています。
トライトーン(悪魔の音程)というものもあります。

音楽の力に気付いたのは誰でしょう?
聖書の中には、ユバル(※ヤバルの弟)という人の名前が出てきています。


創世記 4章21節

その弟の名はユバルであった。
彼は立琴と笛を巧みに奏するすべての者の先祖となった。


聖書の中にはこのほかに、出エジプト後の神の勝利をたたえた歌があり、モーセの姉 ミリヤムは、タンバリンと踊りで歌い、女性達も神をたたえました。
また、琴の演奏で悪い霊に憑かれたイスラエルの王サウルは癒されています。
エルサレムの神殿では礼拝の際、祭司は角笛を吹き鳴らし、 琴や立琴やシンバルは、神殿において神に仕えるレビ人が打ち鳴らし、 女性達はタンバリンを持って 踊りました。(ネヘ12:35、41)


ネヘミヤ書 12節

35節 祭司のうちのある者はラッパを持って進んだ。
すなわち、ヨナタンの子ゼカリヤであった。
このヨナタンはシェマヤの子、順次さかのぼって、 マタヌヤの子、ミカヤの子、ザクルの子、アサフの子である。

41節
また祭司たち、 エルヤキム、マアセヤ、ミヌヤミン、 ミカヤ、エルヨエナイ、ゼカリヤ、ハナヌヤも、ラッパを持って位置に着いた。


ダニエル3:5には異教の神に捧げる奉献式の様子が書かれています。
「あなたがたが角笛、二管の笛、立琴、三角琴、ハーブ、風笛、 および、もろもろの楽器の音を聞くときは、 ひれ伏して、ネブカデネザル王が立てた金の像を拝め。」(ダニエル3:5) 古代から神への礼拝には音楽や楽器はつきものだったのです。

音楽は、今日様々な分野で活用され、また様々なジャンルが存在します。
本来の音楽は、神に捧げる儀式や心の癒しなどが中心のようなので、 心的宗教的な物だった様に思います。
聖書の詩篇は、神への祈りであり、賛美です。
本来ユダヤ人はこの詩篇に音をつけて覚え、暗唱しました。

詩篇150篇は、詩篇全体の結びの詩篇です。
詩篇146篇からハレルヤという詩篇がつづき、締め括りとして置かれています。
ハレルヤで始まりハレルヤで終わる、ハレルヤ詩篇集なのです。

この詩篇150篇は、
ハレルヤと神をほめたたえる場所(1)
理由(2)
方法、手段(3〜5)
拡がり(6)
を示しています。

いつでもどこでも神を褒め称える人々の事を
証ししています。

〈150:1〉
多くの人々がエルサレムの神殿に集い、 神をたたえている光景が目に浮かびます。
巡礼者の人々はエルサレム(神の都) に集い、また人々は互いに交わり、みことばがそこで語られ、朗読され、 そのみ神のゆえにハレルヤ!と賛美したのでしょう。

今日、大きな教会でも小さな教会でも、キリストの御名の 故に2〜3人でも集まれば、そこに賛美が生まれ、 神をたたえる歌が出てきます。
「み力の大空で〜」とは、神の創られた天蓋の事です。
地上から見ると、ドームの様に見えるところが大空です。
(神は天蓋の上に住まれる。私達はいなごのようだ。)
我々は大空を見上げ、その大空をつくられた天におられる神を見上げて、ハレルヤ!と 賛美を捧げる。
人の小ささ、弱さを知り、それをはるかに超えて存在される神を見上げて神を褒め称えるのです。
〈150:2〉
神の偉大さ、神の大能のみ業をたたえる、それが理由です。
大能の"みわざ"とは、神のみ手の働きの多さの事です。
全宇宙、星々の創造のわざ、そしてこの私達の生きている世界で、動物、植物、 全てにおいて、神の力が働いています。
全ての生きとし生ける者の生命の源であり、 またその偉大で大能のみわざの多さのゆえに神をほめたたえるのです。

全てに神の御手があり、御業が働いている事を認めることは大切です。
神の御業の多さに感動と喜びを感じてハレルヤ!と神を褒め称える事は大切です。

〈150:3〜5〉
角笛は、神殿の祭司・琴、立琴、シンバルはレビ人の楽器です。
タンバリンと踊りは女性達が行なったものです。
あらゆる階級の人々が、神への賛美に招かれていました。

〈150:6〉
「息のあるものはみな、神をほめたたえよ」
全ての人は、神をたたえる為に生まれました。
創造者をたたえるべく、私達は作られたのです。
音楽は、その為のとても大切な手段であり、方法です。
ヨハネの黙示録の中にも(黙示録5:9、10、12、15:3〜4)
イエス・キリストこそが神の子であり、
「賛美を受けるにふさわしい方」
「子羊の歌を私達贖われた者は歌い続ける」
「神の国の完成の時の歌」があります。(黙示録19:1〜2、9等)

ヨハネの黙示録 


5章 

9節
彼らは、新しい歌を歌って言った。
「あなたは、巻き物を受け取って、その封印を解くのにふさわしい方です。
あなたは、ほふられて、その血により、 あらゆる部族、国語、民族、国民の中から、神のために人々を贖い、
10節
私たちの神のために、この人々を王国とし、祭司とされました。
彼らは地上を治めるのです。」

12節
彼らは大声で言った。
「ほふられた小羊は、力と、富と、知恵と、勢いと、誉れと、栄光と、 賛美を受けるにふさわしい方です。」


15章

3節
彼らは、神のしもべモーセの歌と小羊の歌とを歌って言った。
「あなたのみわざは偉大であり、 驚くべきものです。
主よ。万物の支配者である神よ。
あなたの道は正しく、真実です。
もろもろの民の王よ。

4節
主よ。だれかあなたを恐れず、 御名をほめたたえない者があるでしょうか。
ただあなただけが、聖なる方です。
すべての国々の民は来て、あなたの御前にひれ伏します。
あなたの正しいさばきが、明らかにされたからです。

19章

1節
この後、私は、天に大群衆の大きい声のようなものが、こう言うのを聞いた。
「ハレルヤ。救い、栄光、力は、われらの神のもの。

2節
神のさばきは真実で、正しいからである。
神は不品行によって血を汚した大淫婦をさばき、 ご自分のしもべたちの血の報復を彼女にされたからである。

9節
御使いは私に
「小羊の婚宴に招かれた者は幸いだ、と書きなさい。」と言い、
また、「これは神の真実のことばです。」と言った。


今日、賛美は神への感謝の歌であり、また癒しの力も持っています。
更に、苦しみへの勝利の力さえ与えてくれます。(使途16:25)
それは、後に完全な勝利の歌となるのです。


使途の働き 16章25節

真夜中ごろ、パウロとシラスが神に祈りつつ賛美の歌を歌っていると、 ほかの囚人たちも聞き入っていた。


聖書は、たえず神を賛美する事を勧めています。
それは、人生における様々な苦難から救う力、不思議な力、 原動力となるからです。
いつの日も、主をたたえる者でありたいものですね。